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患者の権利侵害認めず 病気腎移植の禁止訴訟

共同通信社  2014年10月28日(火) 配信

 日本移植学会幹部らの発言の影響で、国が「病気腎移植」を原則禁止としたため、治療を受ける権利が侵害されたとして、腎臓病患者ら7人(うち2人死亡)が、幹部ら5人に計6050万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、松山地裁は28日、請求を棄却した。

 西村欣也(にしむら・きんや)裁判長は「厚生労働省自らの判断と責任で、原則禁止にした」として、幹部らの言動と禁止との因果関係を認めなかった。

 病気腎移植は、がんなどで摘出した腎臓を修復し、別の患者に移植する。宇和島徳洲会病院(愛媛県宇和島市)の万波誠(まんなみ・まこと)医師らが実施していたことが2006年、臓器売買事件を機に判明。学会は07年、危険性があり医学的妥当性がないとの声明を発表し、厚労省は原則禁止を決めた。09年から臨床研究だけは認められている。

 原告は岐阜、広島、香川、愛媛の7人で、学会幹部らが病気腎移植の危険性を指摘し、こうした発言や声明が厚労省の禁止に影響したと主張。「脳死移植が極めて少ない中、患者にとっては重要な治療」と訴えていた。

 西村裁判長は「病気腎移植は肯定的、否定的な見解がある。受ける権利があるとは認められない」と指摘。原告らの期待は法律上、保護された利益だが、幹部らの発言には違法性はなく、厚労省に禁止の判断をさせたともいえないとした。

 一方で「治療方法の発展を願う患者の真摯(しんし)な思いに鑑みれば、優れた治療方法の実施に向けたさまざまな取り組みがなされることが望まれる」と異例の言及をした。

 原告の松山市の野村正良(のむら・まさよし)さん(65)は判決後、「海外では実績がある手術。学会の妨害に裁判所が踏み込まず、不満が残っている」と話した。日本移植学会は、ホームページ上で「裁判所は正しい判断をした」とのコメントを出した。

 ※病気腎移植

 腎がん患者などから摘出した腎機能のある腎臓を修復し、腎不全など機能の低下した第三者に移植する手術。宇和島徳洲会病院の万波誠(まんなみ・まこと)医師らが1990年ごろから行っていた。万波医師が執刀した生体腎移植をめぐる臓器売買が2006年に発覚し、問題の調査の過程で病気腎移植を42例実施していたことが表面化。がん再発の可能性などの医学的な妥当性や、病気の腎臓を別の患者へ移植することが問題視され、日本移植学会などは07年3月、「医学的妥当性はない」との声明を発表。厚生労働省は7月に移植の原則禁止を通知した。臨床研究は認められている。