医事関係訴訟(医療裁判)原告協力医のブログ

協力医としての思いなどを,時々発信していました. 最近では,自分のブログで協力医としての思いを発信しています. このため,このページは更新いたしておりません. 協力医としてのご依頼は,こちらまでおねがいいたします. http://www.minerva-clinic.jp/contact/index.html

そもそも,蒸しパンをちぎっていたら,詰まらなかったのでしょうか?
いずれにせよ,嚥下困難な患者に対する配慮が欠けていたようですね.


*****************
病院でパン詰まらせ障害 4800万円賠償命令

共同通信社  2014年9月12日(金) 

 くも膜下出血で苑田第一病院(東京都足立区)に入院していた男性(66)が、パンをのどに詰まらせて障害が残ったとして、病院側に1億4千万円余りの損害賠償を求めた訴訟の判決で東京地裁は11日、約4800万円の支払いを命じた。

 判決によると、男性は2007年3月に緊急搬送されて手術を受けた。5日後、昼食の蒸しパンをのどに詰まらせ、一時的に呼吸が停止。すぐに回復したが、軽度の意識障害が残った。

 加藤正男(かとう・まさお)裁判長は「意識状態が万全でなく、かむ能力も落ちていたのに、看護師がパンをちぎるなどの注意義務を尽くさなかった」と判断した。

 病院側は「判決を見ておらず、コメントできない」としている。

また,女子医大ですね.

判決の内容は,ちょっと理解しにくいですが.

疑問なのは,腫瘍塞栓の予防のためにIVCフィルターを留置するのであれば,普通は永続的に使用するタイプのものを入れるように思います.
なぜに,一時的に使用する目的のフィルターを入れたのか?

大体,静脈に腫瘍が浸潤していて,腫瘍塞栓をIVCフィルターで防止せねばならないような状況で
そもそも,手術目的は何だったのか?
根治的?
腸閉塞の予防など緩和的??

除去に際して必要な検査とは何か???

とか.

報道からは,さっぱりわかりません.

何と何の因果関係が認められたのか???

肺塞栓の予防に必要な措置を怠ったことが認められたとしても,死亡との因果関係を否定していますよね??????




**********************************

患者死亡「検査怠った」東京女子医大に賠償命令

読売新聞  2014年9月10日(水) 配信

 東京女子医大病院(東京都新宿区)で2011年、大腸がんで入院して死亡した男性(当時64歳)の遺族が、大学側に約3000万円の損害賠償を求めた訴訟で、東京地裁は10日、大学側に約400万円の賠償を命じる判決を言い渡した。

 近藤昌昭裁判長は「肺塞栓症の防止に必要な検査を怠った」と述べた。

 判決によると、男性は、腹部の静脈にできた腫瘍の塊が肺に移動して肺塞栓症を起こすのを防ぐため、静脈に器具を挿入する措置を受けた。器具の除去直後に肺塞栓症になり、約2か月後に死亡した。

 大学側は「器具は適切に取り除き、死亡との因果関係もない」と主張。判決は死亡との因果関係は否定する一方で、医師は除去の際に必要な検査を怠ったと指摘し、「除去が肺塞栓症を引き起こした可能性も相当程度ある」と認定した。 


市に1億3千万円賠償命令 出産処置怠り障害

共同通信社  2014年9月8日(月) 配信

 愛知県東海市の東海市民病院で、出産時に医師らが適切な処置をしなかったために仮死状態で生まれ、重度の障害が残ったとして、県内に住む男児(6)と両親が病院を運営する市に約1億5千万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、名古屋地裁は5日、病院側の過失を認め、市に約1億3500万円の支払いを命じた。

 朝日貴浩(あさひ・たかひろ)裁判長は「心拍数などを適切に監視し、必要な措置を行い、改善しない場合には緊急の帝王切開に踏み切る注意義務を果たさなかった」と指摘し、病院側の過失と障害の因果関係を認めた。障害は徐々に改善する可能性があるとした病院側の主張は「客観的な裏付けがない」と退けた。

 判決によると男児は市民病院で2008年5月に生まれたが呼吸がなく、すぐに県内の別の病院に運ばれた。今も話すことができず、日常生活でも介助が必要な状態が続いている。

 東海市民病院管理課は「判決文が届いておらず、コメントは差し控えたい」とした。 

↑このページのトップヘ