医事関係訴訟(医療裁判)原告協力医のブログ

協力医としての思いなどを,時々発信していました. 最近では,自分のブログで協力医としての思いを発信しています. このため,このページは更新いたしておりません. 協力医としてのご依頼は,こちらまでおねがいいたします. http://www.minerva-clinic.jp/contact/index.html

これは,全く反論のしようがない事案のように思いますが....

それにしても.
もう1件のほうも気になりますね.


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転院させず死亡、賠償命令 東京・世田谷の診療所

共同通信社  2014年2月27日(木) 配信

 腸閉塞(へいそく)のため71歳で死亡した東京都の女性の遺族が「繰り返し腹痛を訴えたのに適切に対応しなかった」として、最初に受診した有床診療所などに6700万円余りの損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は26日、大規模病院に転送しなかったミスを認め、診療所に1100万円の支払いを命じた。

 判決によると女性は2009年2月1日、未明から3回にわたり東京都世田谷区の小林外科胃腸科で診察を受けたが、医師は鎮痛剤注射などをして帰宅させた。家族が夜になって大学病院に連れて行き、そのまま翌朝死亡した。

 森冨義明(もりとみ・よしあき)裁判長は「診療所の医師はエックス線検査もせずに患者を帰した。鎮痛剤が効かないと分かった時点で転送するべきだった」とミスを認めた。

 小林外科胃腸科はこの訴訟の他、救急搬送された後に死亡した女性の遺族からも昨年12月に損害賠償訴訟を起こされた。今回の判決について「判決を見ておらず、コメントできない」としている。

 

臨床試験の対象患者として適格性を欠く患者だったということで、その適格性基準は医師の裁量権に優先する、という判決内容だったようです

まったく当たり前の判決です。

「被験者保護のため基準は厳格に扱われるべきで、医師の裁量を安易に認めることはできない」

治験に参加していただき、最先端の医療機器を使っていただくことが患者さんの利益になる、と、医師は考えがちであって、また、患者にもそのような説明がなされている、ということなののでしょうか?


治験というのは効果があるかどうかについて判らないから行われているものであって、人体実験なのです。

だけども、このプロセスが薬
剤や医療機器が上市されるのには必ず必要なのだということを、きちんと説明して行うのが当たり前です。

臨床試験において守らねばならないことは、医療機器の場合、
医療機器の臨床試験の実施の基準に関する省令
(平成十七年三月二十三日厚生労働省令第三十六号)

に定められています。
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H17/H17F19001000036.html

薬剤の場合は
医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令
(平成九年三月二十七日厚生省令第二十八号)
に定められています。

治験は必ず説明書と同意書があります
それにサインしないと実施すること自体が無理なのに、どうして適格性を欠く患者が医師の裁量権で入れられるのかがわからないし、
なおかつ、裁判所で医師の裁量権の範疇だと主張をすること自体が判りません。

大学病院が臨床試験の意味を理解していないのであれば、そもそも、大学は「研究機関」であるのだから
大学としての適格性が問われるべきでしょう。
厚生労働省から厳しいご指導を受けたらいかがでしょうか?

裁判に負けたくないからと言って、こういう主張を裁判所でするのは、恥ずかしいとおもいます。



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産經新聞

東京女子医大に賠償命令 治験参加の女性死亡 東京地裁

 東京女子医大病院(新宿区)で治験中の補助人工心臓を装着した女性=当時(41)=が死亡した問題で、遺族が大学側に約3100万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が20日、東京地裁で言い渡された。菅野雅之裁判長は「体格が基準を満たしていないのに治験を実施した」として、約850万円の支払いを命じた。

 判決によると、女性は平成19年3月、治験に参加し、補助人工心臓「エバハート」の埋め込み手術を受けた。いったん退院したが約1年半後、脳出血のため死亡した。
 菅野裁判長は、手術と死亡の因果関係を認めたうえで、女性は治験対象の基準より小柄だったと指摘、「被験者保護のため基準は厳格に扱われるべきで、医師の裁量を安易に認めることはできない」とした。
 東京女子医大は「判決を詳細に見ていないので、現時点ではコメントできない」としている。

希望して協力医になったわけではありません。

楽しくてしているわけでもありません。

しかし。

医療で傷ついて弁護士のところにいき
医療の専門性という壁に戦いを挑んで
なかなかうまくいかずにさらに苦しい思いをする人たちがいる

という現実を初めて知ったとき

医療は圧倒的に医師側の情報優位にある
ということで守られてよいのか?

と、疑問に思いました。

それに、困っている人を
手助けできる人が手助けするのは
当たり前のことなのではないでしょうか?




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